久しぶりの投稿になった上に気が付いたら年を越している始末…。さて、このところ何をしているかというと、Twitterの投稿をご覧になっていただければわかるとおり『DEAD OR ALIVE Xtreme Venus Vacation』を夢中になって遊び、来る日も来る日もスクショをアップするえちえちおぢさんと化しております。このゲームに関しては昨年5月にも記事にしてるけど、もうちょっとで始めて1年経つので改めて所感などを記事にしたいところ。
そんなこんなで一見えちえちバレー漬けに見えますが、ぼちぼち他のゲームもやっております。というわけで、今回はセガの看板キャラクター『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の30周年を記念してリリースされた『ソニックカラーズ アルティメット』の感想。
2010年にリリースされた『ソニックカラーズ(Wii版)』のリマスターで、当時のプラットフォームはWiiとDSの任天堂ハードのみだったけど、本作はSwitch・PS4・PC(Epic Games)に加えて海外ではXbox One・Xbox Series S/Xと幅広いプラットフォームで展開。
個人的な話で恐縮だけど、オリジナル版が発売されたのは長男が生まれる直前だった。出産準備で腰を据えてゲームができる状況ではなかったが、それでもソニックの新作はと駆け足でサクッとクリアしてそれっきりになってしまったのがソニックカラーズだった。当時から面白いゲームだとは感じていたし、Wiiの性能の限界に迫るようなグラフィックに感嘆した記憶はあるけど、タイミング故に記憶が薄く思い入れもそれほど深くなかったものを、今回リマスターという形で再度体験できたのは非常に良かった。
今回の”再体験”で薄かった本作へのイメージが自分の中でしっかり定着したのは良かったし、なによりもソニックカラーズが個人的にシリーズの中でもかなり好きな作品だと認識できたのは収穫だった。その最も大きな理由だと思われるのが、本作で操作するキャラクターがソニックのみに絞られている点だ。
ドリームキャストでリリースされた『ソニックアドベンチャー』以降の3D作品ではソニック以外のキャラクターを操作する機会が多く、ソニックのみを操作するタイトルが少なくなっていった。加えてそれらのキャラクターを操作するステージは宝探しや謎解きなど、ソニックが売りとするハイスピードアクションとはかけ離れたものだった。他のキャラクターでのプレイが面白くなかったわけではないけど、ソニックのパートになると「待ってました!」と思ってしまうのは、やはり僕がソニックシリーズに対して期待していることはハイスピードアクションだということだろう。
ソニックカラーズ(アルティメット)は、その「ゲーム1本丸ごとソニックだけで遊びたい」という想いを叶えるタイトルだった。正直、本作が3Dのソニックを操作するゲームとしてシリーズ中ベストかと問われると微妙なところで、今作以上に操作感が優れていたり、スピード感や爽快感を得られるソニックパートが収録されたタイトルがあるのも事実。とはいえ全体的に及第点であり、本作が特に劣っているというわけではない。些細な不満があったとしても「最初から最後までソニックのみで遊べる」というメリットが大きすぎて、それらを吹き飛ばしてしまう勢いがあるタイトルだと思う。
また、本作は「初めてプレイするソニックのゲーム」としてもオススメしたい1本。本作のプロデューサーはオリジナル版のリリース時には「ライトユーザーに向けたゲームデザインに…」、リマスター版のリリース時には「映画でソニックを知った人にプレイして欲しい」とそれぞれインタビュー時にコメントしていて、実際のゲーム内容もそのコメントに則したものになっていると感じられる。
ゲームの難易度はシリーズ中でも比較的簡単な方だと思う。これはオリジナル版当時のステージデザインやボスの硬さからも感じていたところではあるけど、リマスター版では救済措置が追加されてさらに難易度がぐっと下がった。
ひとつは公式サイトなどでも新要素としてピックアップされている『テイルスセーブ』。アクションゲームではお馴染みの「奈落に落ちて死ぬ」というルールをある程度回避できる要素で、特定のアイテムを持っていれば奈落に落ちても相棒キャラのテイルスが助けてくれ、落ちた奈落のすぐ手前から再開できるというもの。
そしてもうひとつは、オリジナル版にはあった残機とゲームオーバーという概念の撤廃だ。公式サイトには一切書かれていないんだけど、テイルスセーブなんかよりこっちの方が余程難易度の低下に貢献してるんじゃないかと思う。本作に限らずソニックシリーズは1ステージが意外と長く、ところどころにチェックポイントが用意されている。オリジナル版はミスをすると残機が減ってチェックポイントに戻され、残機が無くなるとゲームオーバーとなりステージの最初からやり直しというルールだったけど、リマスター版ではその概念が取っ払われたのでプレイヤーが諦めさえしなければ延々と直近のチェックポイントからやり直せる。これによって技術的にもメンタル的にもリトライのハードルがかなり下がったと思う。
ストーリーや設定面でも初めてのプレイヤーへの配慮が垣間見える。30年の歴史があるシリーズなのでそれなりにキャラクターも多いけど、本作の主要な登場キャラクターは味方側が主人公のソニックと相棒のテイルス、敵側がソニックの宿敵であるDr.エッグマンのみに絞られている。ストーリーも至極簡単に言ってしまえば「Dr.エッグマンが悪さをしているのでソニックとテイルスで懲らしめに行く」なので予備知識も不要。30周年の記念作として新しいファン層を獲得するためにリメイクの対象に選ばれたのも納得。ただ今作はソニックの性格がチャラ過ぎるというか軽すぎるというか…他作品ではもっと内に秘めた熱いものを感じられるヒロイックなキャラクターなので、本作で「あれ?」と思った方はぜひ他作品にも手を伸ばしていただきたい。
あとは要所要所に挟まれるデモムービーの品質をなんとかして欲しかった。たぶんオリジナル版そのままだし、ゲーム中のムービーなんて当時のゲーム用のモデルを使用しているのでムービーパートなのにゲーム中の画面よりクオリティが低いという逆転現象が起きちゃってるんですよね。技術的なことはサッパリなので難しいことかどうかもわからないんだけど、作り直すことはできなかったんだろうか。
とはいえ個人的な不満も僅かで、10年前の良作がリマスターという形で間口を広く開けて帰って来てくれたのは嬉しい限り。発売直後に指摘されていた不具合も概ね解消されてきているので今が遊び時だと思うし、定価も安い。映画やスマブラ、マリオとのコラボ作品などで気になっていた方やキャラクターだけは知っているという方に、初めてのソニックとしてぜひ試していただきたい1本。
そして過日発表されたのが、2022年リリース予定の『ソニックフロンティア』だ。ソニックシリーズ初のオープンワールドとも噂され、ティザームービーでも広大なフィールドをハイスピードで疾走するソニックを見ることができる。試行錯誤を繰り返す同シリーズにおいて新作がどのようなアプローチをしてくるのか、今から楽しみだ。
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