メガドライブミニ2の発売に乗っかって当時の思い出を垂れ流してみる

メガドライブミニ2

メガドライブミニ2が発売されてあっという間に1ヵ月以上経ってしまった。本当は発売日の熱い気持ちを文章にしたかったんだけど、メガドライブミニ2を含めてゲームが楽しくて楽しくて忙しくてブログどころじゃなかった。ゲーム好きとして間違った行動ではない、ヨシ。

というわけで今回はメガドライブミニ2の発売に乗っかり(という割にはかなり遅めだけど)、僕の想いや当時の思い出をテキストに落として、インターネッツに垂れ流していきたいと思う。いつも以上に役に立つ情報は存在しない、ただの自分の記憶を整理するための自己満足クソ長テキストなのでご承知おきいただきたい。


個人的にメガドライブミニ2を一言で表現するとしたら「憧れ」だ。僕にとってはメガドライブミニ2自体が「憧れの結晶」なのだ。当時本体を購入できなかったメガCDのタイトルはもちろん、少ない小遣いの中で比較検討を重ねて泣く泣く購入候補から外したカートリッジのタイトルなど、メガドライブミニ2の収録タイトルは奇しくも当時プレイしたかったけどプレイできなかったタイトルが集まったものになってしまった。

当時僕がメガドライブを購入したのは1993年の初秋、中学1年だった。小6のときに通学路にあったハローマックの試遊機でプレイした『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』に心を奪われ、その1年後に念願のメガドライブを手に入れたのだ。購入したのはその年の春に出たばかりのメガドライブ2。僕がメガドライブに触れたのは、ハードとしてはかなり円熟した後期からだと言える。

その後セガサターンを手に入れたのは1996年の初夏、高1のときのことなので、メガドライブをメインのゲーム機として楽しんでいたのは中学生だった3年間のことだ。財布の事情はまあまあ普通の中学生だったと思う。次々とゲームを買えるほどの小遣いではなく、誕生日やクリスマスに望みをかけ、お年玉を切り崩しながら当時の自分なりに厳選に厳選を重ねてゲームを買い足していた。当然メガCD本体など購入する余裕もなく、高性能ボディコンペアなど夢のまた夢だった。

加えてメガドライブの後期は、中学生の財力では到底追いつかないほどの名作・話題作のラッシュだった。トレジャー黄金期、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3』をはじめとしたメガドライブの性能を限界まで引き出したアクションゲームの数々、メガロープレプロジェクトと題したRPGタイトルの連続リリース、格ゲーブームによるアーケードタイトルの移植などなど、雑誌などで大きく取り上げられるシーズンごとの主力ソフトを追いかけるのも大変で、発売日の購入をあきらめて値下げや中古を待つことも多かった。ファミコンショップの棚に並ぶパッケージを眺めるだけで購入に至らなかったゲームも多い。実際、メガロープレプロジェクトでは『ストーリー オブ トア』を選び『ラグナセンティ』を見送ったし、格ゲーで言えば『スーパーストリートファイターⅡ』を選んで発売日の近い『餓狼伝説2』は諦めた。このあたりのゲームは結局今まで遊ぶことなく憧れで終わるところだったけど、有難いことにどちらもメガドライブミニ2に収録された。

そんな状況なので、いわゆる旧作を買って楽しむ金銭的余裕も無かったので目も向けられず、それ故に『スペースハリアー』『ファンタジーゾーン』『アフターバーナー』『アウトラン』などの超名作タイトルにメガドライブで触れることがなかった。このあたりのタイトルはその後も32X版・サターン版とスルーし続け、初めて遊んだのは社会人になってから、たぶんプレステ2のSEGA AGESシリーズあたりからだったと思う。『アウトラン』に至っては2→無印の順で遊んでいるぐらいだ。当時名作を堪能できる環境に身を置いていたにも関わらずまったくプレイしなかったことは、メガドライブからドリームキャストまでセガハード一筋だった自分の最大のしくじりだと思っている。そんなもん最早セガ好きともセガハードユーザーとも呼べないし、なんなら切腹ものである。もしも過去に戻れるなら、あの日某ファミコンショップでなぜか『太平記』のパッケージを持ってレジに向かう自分を殴ってでも止めて『スーパーファンタジーゾーン』か『アフターバーナーⅡ』を持たせたい。それだけに今回ミニハードとはいえ、これら名作群の当時のメガドライブ版…のみならず、当時はなかった『ファンタジーゾーン』や拡縮機能が実装されたIFのメガドライブで再現された『スペースハリアー』の2作までプレイできるのは本当に嬉しいし有り難い。アラフォーにして、憧れが叶ったのと同時に当時の罪…というか後悔がちょっとだけ清算されたような気がしている。


余談…というか、この記事が余談の塊のようなものだが、当時は「アーケード=セガ」という認識もあまりなかったというのが正直なところだ。1980年生まれの僕が物心ついた頃はファミコンブームの真っ只中、ゲームは家でやるものだと思い込んでいたところもある上に、畳み掛けるようにやってきたのは『ストリートファイターⅡ』から始まった格ゲーブームだ。都市部から少し離れたところに住んでいた僕たちの主戦場は近所の駄菓子屋に置かれた古いテーブル筐体に入れられたストⅡや、小型のMVSだった。時折「遠征」などと称してチャリで街中のゲームセンターに向かうもプレイするのはやはりストⅡ・餓狼・KOF…格ゲー以外は視界にナシ、そういう時代だった。「セガのゲームがゲーセンにもある」とはっきり認識したのはやはり格ゲーだった『バーチャファイター』あたりかもしれない。そのあたりもメガドライブユーザーとしてプレイすべきものをスルーしてしまった要因のひとつかもしれない。


話を戻そう。そしてやはり今回のメガドライブミニ2が僕にとって「憧れの結晶」となったのはメガCDタイトルの収録だ。当時のメガCD2の本体価格は29,800円、中学生のお財布事情では簡単に手に入るものではない。小遣いを貯めれば買えたのかもしれないが、メガCD2を買う金があればカートリッジが4~5本買えてしまううえ、カートリッジのゲームだって豊作だった時期なのだ。結局、当時の愛読書だった『BEEP!メガドライブ』に掲載されたメガCDタイトルの紹介記事を指を咥えて眺めるしかなかった。

メガCDへの憧れを加速させたのは、当時の友人の存在も大きい。中学生当時、同じ学年で僕の他にメガドライブを持っている奴が二人いた。もしかしたら他にも持っている人はいたのかもしれないけど、当時は聞いたことがない。本当に僕が知り得る範囲でしかユーザーがいなかったとしたら、200人以上いた学年のなかにメガドラユーザーは3人しか存在していなかったことになる。なにはともあれ、その二人はメガドライブのことを語り合える貴重な友人だった。

その友人を便宜上A君とB君と呼ぼう、A君と僕はゲームを購入するペースがあまり変わらなかった。どちらかというとアクションゲームを多く手に入れていた僕とは違い、A君はRPGやSLGを好んで遊んでいた。とはいえふたりとも特定のジャンルに傾倒していたわけではないので、ゲームの貸し借りも成立していた。『ラングリッサー』の面白さを知ることができたのはA君のおかげである。

格が違ったのはB君の方だ。B君の父親はセガ関係の仕事をしていたらしく、自宅には大量のゲームがあった。メガCDはもちろん、メガCDカラオケまで合体した要塞のような本体、複数個の大きな収納家具に隙間なく詰め込まれたメガドライブとメガCDのソフト、さすがに全部ではなかったと思うけど話題作は必ず発売日に手に入れているような、恐ろしく羨ましい奴だった。当然B君との間には貸し借りという概念は存在しなかった。僕が持っているソフトはほとんどB君も持っているからだ。中学生とはいえ一方的に借りるのは気が引けたのか、彼からソフトを借りた記憶はあまりない。B君の家にはしょっちゅう遊びに行っていたが、一緒に遊んだのはカートリッジのタイトルが多く、メガCDタイトルで遊ぶことはほとんどなかった。何度かメガCDで遊びたいと伝えたことはあるが「読み込みに時間がかかるCDタイトルは友達と遊ぶには向かない」と言われたことはよく覚えている。そのくせ学校で話すときは「LUNARは名作、感動する」とか「ルーシアが凄く美しいんだ」なんて言ってくるものだから、とりわけLUNARシリーズに対する憧れだけは過剰に積もっていき、その後サターンでリメイク版をプレイできたときはとても嬉しかったのを覚えている。LUNARシリーズは確かに名作で感動したし、ルーシアは美く、僕にとってもいつまでも心に残るゲームとなった。当時B君が話してくれなかったらプレイすることもなかったかもしれないと思うと、B君には感謝しかない。そして今回、ついにメガドライブミニ2で原点のメガCD版をプレイできるようになった。まずは『ザ・シルバースター』から、サターン版との違いを楽しみながら少しずつ進めている。


そんなわけで僕にとっては憧れであったタイトルが詰まったメガドライミニ2が発売され、手に入れ、遊び始めた。60タイトルもあると遊び尽くすのはいつなのか、そもそも生きてるうちに遊び尽くせるのかもわからないけど、自分のペースでゆっくりひとつひとつのタイトルに向き合いたい。

で、手に入れてから1ヶ月以上経って一番プレイしているのが、別に憧れてもいなかったし、なんなら存在すら知らなかったナムコのパズルゲーム『メガパネル』だったりする。パネルをスライドして同じ色のパネルを縦横に並べて消すだけの単純なゲームだけど、つい時間を忘れて熱中してしまうし、他のゲームをプレイするつもりでメガドライブミニ2を起動したのに気がつくとなぜかメガパネルをやっているぐらい中毒性が高い。ぶっちゃけ遊び始めたLUNARもメガパネルのせいで(おかげで)あんまり進んでいない。未知のゲームは、僕にとってはなんとも恐ろしい(楽しい)ゲームだった。思い返せばメガドライブに出会う前、小学生のファミコンキッズだった僕は『ファミリーピンボール』『ファミスタ』『ワギャンランド』『ケルナグール』あたりのナムコタイトルが大好きだった。メガパネルのグラフィックやサウンドは形容し難い独特の「当時のナムコっぽさ」が全開なのも惹きつけられた原因なのかもしれない。憧れ続けた初恋のあの人(ゲーム)との再会を喜ぶつもりが、たまたますれ違った見ず知らずの人(ゲーム)の誘惑に負けてしまったようで何とも言えない気持ちではあるけど、こういう出会いもまた、収録タイトルの多いメガドライブミニ2ならではだと思う。

そんなこんなで今のところ僕のメガドライブミニ2は、ほぼメガパネル専用機だ。「憧れの結晶」はどーした?…ほかのゲーム、いつ遊べるようになるだろうか。

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