骨伝導イヤホン『OpenMove AfterShokz』感想 - 初体験の「耳をふさがないイヤホン」は思った以上に便利だった

Amazonのセールで安くなっていたので『OpenMove AfterShokz』を購入してみました。
とはいえ最近購入したものではない。ブログをさぼっていた…というか半分忘れかけていた時期に購入したものでもう半年以上使ってるんだけど、すっかり愛用品になったので紹介しておきたい。

いわゆる耳を塞がない骨伝導式のイヤホンで、Shokz(旧AfterShokz)はこの分野ではトップブランドらしい。以前から骨伝導イヤホンには興味があったので、せっかくなら名の通ったブランドのものをとセールを機にポチり。

今回購入した『OpenMove』はShokzブランドの中でもエントリーモデルにあたる最も安価なモデル。そもそも骨伝導イヤホン自体が初めてなので他の機種との比較もできないんだけど、初めての骨伝導イヤホンとしてその利便性を享受したり、思っていたよりも高音質であることに驚いたりするには十分なアイテムだった。

ちなみに骨伝導イヤホンに興味を持って、OpenMoveを購入した理由と使いみちは下のとおり。以降の感想はそういう環境や用途でのものなので興味があればどうぞ。

  • 日課になっている夜のウォーキングとジョギング用。「耳を塞がない骨伝導イヤホンの方が安全だよね」という本製品のお手本のような用途。
  • 自宅でのゲーム・動画視聴用。妻子のいるおっさんの自由時間は家族が寝た夜中、もちろんイヤホン(ヘッドホン)は必須。本当は音質の良いヘッドホンでも使いたいところだけど、トイレに起きた子供に呼ばれたりすることもあるので、できれば完全に聴覚を奪われずに家の中の状況を少しでも感じ取れたほうがいいかなという考えから。

と、いうわけでまずは着弾時の様子から。いきなり脱線するけど最近家の近くにPUDOステーション(宅配便ロッカー)ができたので、積極的に利用している。通販での散財が妻にバレにくいので便利。今回もPUDOステーションで受け取った。まずはパッケージ、白基調で蓋部分だけ透明で本体が見える。Amazonで買っちゃったけど実店舗映えしそうなデザイン。

OpenMoveパッケージ

付属品は取説・巾着ケース・充電用のUSBケーブル(Type-C⇔Type-A)・耳栓など。耳栓は外音を入れずにイヤホンの音に集中したいとき、つまり一般的なイヤホンのように使いたいときに装着するものらしい。巾着は今に至るまで未使用。

OpenMove内容物

本体は思っていたよりもコンパクトで軽い。もっと大きめでゴツいものを想像してたけど、片手に収まってしまうぐらい小さかった。

ボタンは左耳側にひとつと右耳側にふたつの計3個。いずれもタッチ操作ではなく、カチッと押し込むボタン式。個人的には誤操作の少ないこちらのタイプの方が好み。ボタン数は少ないけど、同時押しや長押しの組み合わせで音量や曲送りなど必要な操作はひととおり可能。充電用のUSBポートは右耳側、防滴用と思われるゴムの蓋が付いてる。

ヘッドホン左側
ヘッドホン左側側面、グレーの部分が再生・停止用ボタン
ヘッドホン右側
ヘッドホン右側底面、右から音量-ボタン・電源兼ペアリング兼音量+ボタン・充電用のUSBポート。パッドの部分にある小さな穴はマイク

装着時は左右のパッドをつなぐバンド部分を耳に引っ掛けると、音を伝えるパッドの部分がこめかみの下あたりに当たる。パッドの当たる位置で聞こえ方が全然変わってくるので、最初は静かな場所で音を出しながらベストな位置を探してみるといいと思う。個人的には締め付け感はあまりなく、付けていることを忘れるぐらい軽量で快適。
僕は日常的にメガネを掛けているので、メガネのテンプルとイヤホンのバンドが過剰に干渉したりしないか心配だったけど、特に不快感もなく、耳に余計な負担がかかっているような感覚もない。着脱に関してはメガネ→イヤホンの順番に着用すれば大丈夫なんだけど、イヤホン→メガネだったりイヤホンを着けた状態でメガネを掛けなおしたりするとイヤホンを外したときにときどきメガネを持っていかれたりする。加えてマスクを着けていると尚更だったりするので、着け外しのときはちょっと注意が必要かもしれない。

音質は良好…というかびっくりするほど良かった。そりゃあ直接耳に突っ込む一般的なタイプのイヤホンと比べるのは野暮だけど、僕が思っていた「骨伝導なんてこんなもんでしょ」のレベルよりは遥かに良かった。音が聞こえりゃいいぐらいの気持ちで買ったのに、音楽も音楽としてそこそこ「聴ける」し、映像やゲームの空間演出もそれなりに感じ取れる。確かに音は多少低音寄りで籠った感じはするけど、全然悪くない。骨伝導、ちょっとなめてたな…。期待値が相当低かっただけに驚いた。
だた、ちゃんとした姿勢で使っている分にはいいんだけど、ゴロゴロしながら動画を観ていたりすると姿勢が変わるたびに締め付け具合が変わり、それに合わせて音質も少し変わってしまう。こんなスポーツ&スタイリッシュなイヤホンでゴロゴロだらだらと動画を観るなど、メーカーとしては想定してない用途なのかもしれないけど、個人的には締め付け具合を調整できるような機能があると嬉しかった。

本当に周囲の音が聞き取りやすいか、どれぐらい音漏れするかも確認。家に届いた日の夜は妻が留守なのをいいことに、着けっぱなしにして音楽を聴きながら夕食の準備や後片付け・風呂掃除・洗濯などをしながら寝るまで子供たちと過ごしてみた。もちろん適切な音量に調整する必要はあるけど、音楽を聴きながら終始子供とコミュニケーションをとることもできた。なんならそのままテレビも観れるし、寝る前の本の読み聞かせもできた。
これって極端な話「自分の好きな音楽や音声コンテンツを一日中聴きながら、誰にも迷惑を掛けずに仕事なり家事なりをこなしつつ生活できる」ということだ。実現のハードルは高そうだだけど、頭にちょっと気になる機械を着けていることや常に音楽(とか音声コンテンツ)を聞いていることを家族や同僚が容認さえしてくれれば、生活が大きく変わるかもしれない。

音漏れについては体感ではインナーイヤー型のイヤホンよりも少し漏れやすい印象なので、静かな場所では少し小さく感じるぐらいの音量で使用した方がいいかもしれない。もっとも音量を上げるほどパッドの部分の振動が強くなるので、一定の音量以上になると低周波治療器みたいで気持ち悪い。そもそもこの製品自体、そんなに大音量で使用することを想定してなさそうだけど、一般的なイヤホンより音漏れが大きいのは事実なので気を付けて使いたいところ。

ウォーキングやジョギングなど、屋外の運動との相性は当たり前だけどバッチリだった。耳が塞がれていないというのはそれだけで本当にありがたい。音楽を聴きながら走っていても、後ろから漕がずに迫ってくる自転車の走行音(あの「チリチリチリ」という独特の音)まで聞こえる。交通量の多い大通りでは車の走行音に音楽がかき消されてしまうこともあるので、ジョギングのコースによっては都度音量調節が必要だけど、走りながらイヤホン側の操作で音量調整できるので問題ない。
運動時の使用感や装着感もかなり良く、密閉型のイヤホンを着けていたときは自分の呼吸や足音が頭に響いて不快だったけどそれもなく、左右のパッドがバンドでつながっているので落とす心配もなければ有線イヤホンのように煩わしくもない。今までジョギングに使ったイヤホンの中では最も快適かもしれない。外で安全に音楽を聴くという用途においては今のところこれに勝るものはなさそうなので、運動以外の外出の際にも活躍できそう。

数えるほどだけど、職場に持っていってリモート会議にも使ってみた。相手がボソボソと話す人でも問題なく聞き取れたし、相手にこちらの声が聞き取りづらそうな素振りもなかったので内蔵マイクの性能も悪くはないのだろう。比較的静かな職場なので、ざわざわと賑やかな場所だと聞こえ方に差が出るのかは気になるところ。

初めての骨伝導イヤホンということで、購入前は音質や装着感など心配な部分が多い製品だったけど、思っていた以上に使い勝手が良く、ここ数ヶ月は屋内外・用途を問わずにガンガン使用中。この手の耳を塞がないイヤホンはもう手放せないかもしれない。こうなるとShokzの上位機種やゲオで売ってる格安骨伝導、コンセプトは似ているもののアプローチの異なるソニーの『LinkBuds』とか、最近発売されたオーディオテクニカの軟骨伝導ヘッドホンも気になる。とはいえまだ次のものを考えるのは早すぎる気がするので、うっかり散財しないように気を付けようと思う。

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